ヤンキース田中、力投も8勝目ならず「モヤッとしている」(スポーツ報知)

◆インディアンス5―2ヤンキース(15日・クリーブランド

 ヤンキース田中将大投手(29)が15日(日本時間16日)、敵地でのインディアンス戦に先発。6回1/3を投げ、6安打2失点。同点の場面で降板し勝敗はつかなかった。4月23日以降11試合連続で負けなしとなったが、チームは8回に決勝点を許し敗れた。田中は、オールスターまでの前半戦を7勝2敗、防御率4・54で折り返し、後半戦は22日(日本時間23日)のメッツ戦に先発することが決まった。

 手応えは確かにある。だが、結果につながらない。前半戦を折り返した田中の胸に、複雑な思いが交差した。前回登板からスプリットは修正され、効率良い省エネピッチでクオリティスタート。相手のバント攻撃を阻止する見事なフィールディング…。いい要素は沢山あったのに、一発に泣いた。2―0で迎えた4回一死一塁。4番・エンカーナシオンに初球のスライダーを左翼席に運ばれた。「ミスするにしても、ああいうミスの仕方ではなくて、ボールになればよかった。点差を広げてもらった後で“ドカーン、ハイ、同点”みたいな…。チームの勢いを殺してしまうような点の取られ方。モヤッとしている」

 今季は15試合中13試合で18本塁打。昨年も35本浴びた右腕は、「ホームランが付きまとうのは、ある程度、仕方ない」と腹を括り、過剰に被弾をトレスにしないメンタルを大事にしてきた。だが、2試合連続で中盤に同点アーチを浴び歯がゆさも倍増する。

 7回途中。球数77球で交代を告げられ、「僕の意見なんて何もない。監督が決めること」と悔しさを飲み込んだ。

 ただ、悲観はしていない。「スプリットはこんなもんじゃない。いい球は増えているが、まだ確率が悪い。スライダーは左打者の内角、右打者の外角に制球が甘い」と課題は明確だ。同地区首位・レッドソックスとゲーム差は射程距離の4・5で、ブーン監督は「田中は後半戦に重要な役割を果たしてくれるはず」とキーマンに指名する。7勝2敗で前半戦を折り返し、22日のメッツ戦登板が決まった後半戦に備え「自分の中で戦い続けている部分はある。自分の課題と向き合いながら必ず乗り越えてみせる」と、力強く言い切った。(一村 順子通信員)

 ◆田中に聞く

 ―ヒガシオカと初めて先発バッテリーを組んだ。

 「あらかじめ話をして、それに沿ってやってくれた。彼のアイデアで自分の新しい発見があれば面白いなと思っていた。違和感なくバッテリーが組めたと思う」

 ―7回のバント処理は

 「直球のサインで、相手がバントの構えをしたら、やらせていこうというのがあった。バッターをみながら投げて、理想的なフィールディングの流れになった」

 ―(故障者リスト期間の)リハビリ中、肩を休めて状態が良くなった感覚は?

 「あります。ありますけど、全て結果に直結しているわけじゃない。ミスをしているから。良くなっているけど、完璧じゃないから」