米兵遺骨発掘再開で合意、実務者協議に移行 休戦協定締結日に合わせた返還模索か(産経新聞)

【ワシントン=黒瀬悦成、ソウル=桜井紀雄】米国と北朝鮮は16日から南北軍事境界線がある板門店(パンムンジョム)で、朝鮮戦争(1950~53年)で死亡した米兵の遺骨返還をめぐる実務者協議に入ったもようだ。ポンペオ米国務長官は15日、板門店で同日開かれた将官級協議で北朝鮮に散在する約5300柱の遺骨発掘作業の再開で米朝が合意し、北朝鮮が収集し終えた遺骨返還に向けた協議を16日から行うと明らかにしていた。

 米CNNテレビによると、遺骨約200柱については2、3週間以内に米国に引き渡す方向で調整が進んでいるという。韓国では、朝鮮戦争の休戦協定締結から65年に当たる27日などに合わせた返還が検討されているとの見方が出ている。

 米朝は96年から合同で遺骨発掘を行ったが、2005年に中断していた。

 ポンペオ氏は、15日の協議が「生産的かつ協力的だった」とし、北朝鮮が6月の米朝首脳会談で表明した遺骨返還を「しっかりと約束した」と強調した。

 トランプ米大統領は15日、ツイッターで、北朝鮮がミサイル発射や核実験を自制している点など「素晴らしい事実を報じない」と米メディアに不満を示した。