報徳・小園「甲子園で暴れる」強烈打球と華麗守備を披露(朝日新聞デジタル)

小園海斗(3年)は定位置につくと、地面に文字を書いた。「勝つ」。東兵庫大会2回戦の伊丹西―報徳学園戦。高校屈指の遊撃手の、最後の夏が始まった。

【写真】東兵庫大会 伊丹西―報徳学園 遊ゴロをさばき、ランニングスローする報徳学園の小園=16日午前9時56分、明石トーカロ、小俣勇貴撮影

 県勢最多となる夏の全国選手権出場14回を誇る報徳学園。小園はそこで、1年春から遊撃手を任された。昨夏は2年生ながら18歳以下(U18)ワールドカップ(W杯)日本代表に選出され、レギュラーに。プロからも注目される存在になった。

 だが、甲子園に出たのは4強入りした昨春の選抜大会だけ。最上級生になり、「夏の甲子園に行きたい」という思いは、悲願に変わった。

 初戦の前日、講堂に部員全員が集まった。メンバー外の3年生が思いを語る映像を見た。小園へのメッセージは「最後の夏、暴れてこい」。仲間の期待に、涙がこぼれた。

 一回、この夏の初打席から攻めた。「僕がいい流れを作れば点は入る」。初球をたたくと、鋭い打球が右前で跳ねた。先制のホームを踏んで打線を勢いづける。守備では華麗なランニングスローも見せて投手陣をもりたてた。8―2で迎えた七回、1死二塁から中越えに適時二塁打を放ち、コールド勝ちを決めた。

 好発進したが、気は緩めない。「目標はまず、甲子園。そこで暴れたいと思います」。仲間の思いを胸に、小園は走る。=明石トーカロ(小俣勇貴)