初の村外避難訓練を実施=核燃料プールの異常想定―茨城・東海村(時事通信)
茨城県東海村は16日、日本原子力発電東海第2原発での異常事態の発生を想定し、策定中の広域避難計画案に基づき避難先自治体に向かう訓練を実施した。
村外へ移動する訓練は初めてで、村民に加え自治体職員ら計約400人が参加した。
同原発は今年11月に運転期限の40年を迎える。今月4日には「事実上の合格」とされる新規制基準の適合を原子力規制委員会により認められた。
訓練は、発電所内の使用済み燃料貯蔵プールの水位が低下する事態を想定。村役場内に災害対策本部を設置しつつ、防災行政無線やSNSなどを通じて村民に避難を呼び掛けた。
異常事態発生の報を受け、村民ら約170人がバスに乗り、避難先に指定された県内3市のうち取手市に向かった。市立中学校に避難所が設置され、備蓄食料の配布や、体育館で防災講習が行われた。
訓練に参加した無職篠原諒さん(81)=東海村村松北=は「どう避難するのか自分の目で確認したかった。本当に事故が起きたとき、今回のように避難できるか不安だ」と話した。また、山田修村長は「一連の流れはスムーズだったと思うが、いざというときにすぐに行動できるかどうかが課題だ」と振り返った。