<都市対抗野球>打線の勢いにのみ込まれた伯和ビクトリーズ(毎日新聞)

●伯和ビクトリーズ(東広島市) 2-4 鷺宮製作所(東京都)○

 伯和ビクトリーズ(東広島市)にとって、5年ぶりの東京ドームはほろ苦いものとなった。三回に先制したものの、先発の新人左腕・平岡が鷺宮製作所(東京都)打線の勢いにのみ込まれた。

 三回1死から連打と死球で満塁とされ、鷺宮製作所(東京都)の4番・橋本を打席に迎えた。1ストライクから外角を狙ったスライダーがボール半個分内側に入り、一、二塁間を破る同点適時打を許した。長打を警戒しストライクを先行させる考えだったが、「その意識が強すぎた」。肝心の制球が甘くなったところを痛打されて降板すると、悪い流れを2番手・佐原も止められなかった。

 大会直前に起きた豪雨で同市内にあるチーム寮の前の国道にも土砂が流れ込み、選手とスタッフは総出で土砂をかき出した。平岡は「野球が当たり前にできる環境に改めて感謝するようになった」といい、「試合に勝って少しでも明るい話題を届けたかった」。自らのプレーで地元を勇気づけるという意気込みは実らなかった。【石川裕士】