相模原中教校3年・長沢岳主将「チームワークの大切さに気づけた」(産経新聞)
誰もがついていきたくなるような、頼りがいのあるリーダー。高校野球北神奈川大会2回戦で麻溝台に敗れた相模原中教校3年・長沢岳主将のもとに、涙を止めることができないチームメートが駆け寄ってきた。優しくほほ笑んで、自身も涙を流しながらその肩を抱いた。
主将で主戦。初回から登板するも、三回までに被安打7の3失点。立ち上がりから本調子ではないピッチングで、相手打線を抑えることができなかった。何度も「悔しい」と口にした。打撃で挽回しようと、二回に本塁打を放った。責任感あふれるそうした姿勢で、チームを引っ張ってきた。
中高一貫校で、六年間ずっと同じチームで野球と向き合ってきた。途中で退部する仲間もいたが、チームメートとの六年間の絆は並々ならぬものがある。練習ではチームメートと言い争いになる場面も多々あった。グラウンドでダラダラと歩いていると、「もっと早く動け」と注意する。
これにカチンときたチームメートが言い返し、互いに譲らない。だが、それぞれが言いたいことを全て言い切ると、いつの間にかけんかが終わる。何でも言い合える関係が築かれていたからだ。
野球を通じてチームワークの大切さに気づけたことが財産になった。大学進学を見据えているが、野球を続けていくかは決めていない。だが、六年間で得たものを糧に前を向いていく。