W杯優勝、歓喜のパリ シャンゼリゼ通りでは暴徒化も(朝日新聞デジタル)

サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会の決勝で15日、フランスが20年ぶりの優勝を決めると、パリでは大勢の市民が街頭に繰り出し、夜通しでお祭り騒ぎが続いた。優勝を祝う車のクラクションは未明まで鳴り響いた。

【写真】パリのシャンゼリゼ通り、一部市民が暴徒化

 エッフェル塔の足元にあるシャンドマルス広場では、9万人が入れるパブリックビューイングの会場が設けられた。優勝が決まると、集まった人々は国歌を歌い、国旗を掲げて、「私たちがチャンピオンだ!」などと喜び、抱き合った。

 仲間と一緒に観戦に訪れたジャンルイ・マチューさん(18)は「フランス代表の多くは僕たちと同じ世代。うれしいよ。これがフランスの未来だ」と興奮して話した。

 夜になると、エッフェル塔凱旋門(がいせんもん)がフランス国旗の三色にライトアップされた。繁華街のシャンゼリゼ通りは繰り出す人々があふれ、凱旋門の付近は身動きが取れないほどの混雑に。車両の屋根に乗ったり、行き交う車をたたいたり、ビール瓶を道ばたに投げ割ったりと、羽目を外した興奮状態が続いた。

 AFP通信によると、市民の一部が暴徒化し、30人ほどがシャンゼリゼ通りの食料・雑貨店から商品を略奪。治安部隊が催涙ガスなどを使って追い散らした。マルセイユなどの都市でも治安当局と衝突が起き、10人が拘束された。

 モスクワで決勝の試合を観戦したマクロン大統領はツイッターに「ありがとう」と書き込み、代表チームの勝利を祝福した。16日には選手をパリの大統領府に招き、健闘をたたえるという。(パリ=疋田多揚)