表層崩壊、南北4キロの爪痕…強固な地盤にも(読売新聞)

西日本豪雨による土砂災害で死者が集中した広島、愛媛両県の被災地の上空を、京都大の千木良(ちぎら)雅弘教授(応用地質学)と読売新聞ヘリで飛んだ。

 4人が犠牲となった広島県呉市安浦町。鋭い爪でひっかいたような表層崩壊の跡が、あちこちの山腹で無数に広がっていた。

 「崩壊の密集地帯だ。南北に4キロはある。固い地盤の上にできるとは驚きだ」。千木良教授がつぶやいた。

 崩壊の密集地帯は、2014年の広島土砂災害や17年の九州北部豪雨でも見られたが、いずれも風化で崩れやすい花こう岩などが広がる地域だった。安浦町には、より強固な流紋(りゅうもん)岩が分布する。