イングランド完敗「最盛期はまだまだ先」(日刊スポーツ)
<ワールドカップ(W杯)ロシア大会:ベルギー2-0イングランド>◇3位決定戦◇14日◇サンクトペテルブルク
【写真】試合後、あいさつするイングランド・ケーン
イングランドはベルギーに力の差を見せつけられ、90年イタリア大会以来2度目の4位で今大会を去ることになった。
相手より準決勝から1日少ない中2日と厳しい日程で、ベルギー得意のカウンターを止められず。サウスゲート監督は「我々より先を行くチームに負けた。まだ、そのレベルに達していない」と完敗を認めた。トップとの差を痛感させられたが、4年後に希望を抱かせる今大会だった。平均年齢は25・7歳。24歳で主将を務めたFWケーンを筆頭に、ほとんどが次のW杯を狙える選手たち。同監督は「最盛期はまだまだ先」と話せば、DFストーンズも「(今後の)成長に期待を持ってもらっていい」と胸を張って言い切った。4年後、66年以来の優勝トロフィー獲得に向けて、確かな手応えを感じて母国に帰還する。
フランス4発大勝 20年ぶり2度目の世界一(日刊スポーツ)
<ワールドカップ(W杯)ロシア大会:フランス4-2クロアチア>◇決勝◇15日◇モスクワ・ルジニキ
【写真】優勝し歓喜するフランス代表イレブン
W杯ロシア大会の決勝が行われ、フランスがクロアチアを4-2で下し、自国開催だった98年大会以来2度目の優勝を遂げた。史上初の決勝オウンゴールで先制し、1-1の前半38分に今大会から導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で獲得したPKで勝ち越し。新星エムバペも決めた。クロアチアは98年大会の初出場3位を超える準優勝となった。欧州勢の制覇は4大会連続。6月14日からの祭典は閉幕し、次回は22年にカタールで初開催される。
W杯通算900試合目となった決勝で、新時代のフランスが大勝した。まず前半18分に先制。ペナルティーエリア右角から、FWグリーズマンが自ら得た直接FKを左足で放り込むと、相手の190センチFWマンジュキッチの頭をかすめてコースが変わった。GKの手先を通ってゴール左上へ。グリーズマンはコーナーポストへ走り、歓喜の右アッパー。赤白チェック柄のサポーターで埋まったゴール裏を黙らせた。決勝のオウンゴールは史上初だった。
同点に追いつかれた7分後には、今大会を象徴する場面が繰り広げられた。フランスの右CK。マンジュキッチにクリアされたが、競り合った仲間がハンドを主張した。主審が映像で確認し、PKスポットを指さす。キッカーのグリーズマンがセットすると雷鳴がとどろいた。雨の中、ゴール左へ流して勝ち越した。準Vに終わった2年前の欧州選手権で流した涙を、モスクワの雨でぬぐい去った。
後半7分には水を差す珍事も発生。男女4人がピッチに駆け込み、警備員に宙づりで退場させられるまで1分間、試合が中断した。場内は騒然としたが、流れは変わらない。6分後に新将軍ポグバが左足で3点目を奪い、さらに6分後、19歳エムバペが4点目を右足ミドルで決めた。決勝での10代ゴールはペレ以来60年ぶり。タレントがそろい踏みで頂点に駆け上がった。
前回98年の初V時、主将だったデシャン監督はスーツ姿でも優勝杯を掲げた。選手と監督でW杯を制したのはザガロ、ベッケンバウアーに続き3人目。23選手の平均年齢25・6歳という若い集団を率い、自国開催で準優勝に終わった2年前の欧州選手権の借りを返した。その時の決勝メンバーとこの日では半分の5人が入れ替わった。エムバペら若手を抜てきし、世代交代ではなく、さらに強化した手腕がW杯で証明された。
かつての美しいスタイルより、現実的に勝ち切る戦力が批判もされたが、指揮官は「美しい歴史の1ページを刻みたい」と決勝に懸けていた。ウルグアイ、アルゼンチンに並び4位タイとなる2度目の優勝。「ユニホームにある星は98年のもの。自分たちの星が欲しいんだ」と燃えていたポグバら「レ・ブルー」(愛称)の胸に、20年ぶりに新たな星が輝いた。【木下淳】
フランスがクロアチアに4-2で勝利、20年ぶりのW杯制覇(CNN.co.jp)
(CNN) サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会は15日、モスクワで決勝が行われ、フランスが4-2でクロアチアを下し、20年ぶりの優勝を飾った。
決勝でこれほど多くのゴールが決まったのは1966年以来。素晴らしい大会にふさわしい興奮のクライマックスとなった。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定によるPKの付与やオウンゴールといったシーンに加え、ピッチに乱入者が現れる場面もあった。
試合は前半、クロアチアのマンジュキッチによるオウンゴールでフランスが先制。ペリシッチのシュートでクロアチアが追いつくも、フランスはグリーズマンのPKで2-1とリードを奪った。
劣勢だったフランスがリードして折り返した形となったが、後半に入るとポグバとエムバペのゴールでさらに2点を追加。フランスが試合を支配することになり、大勢は決した。
ただ後半24分には、フランスのGKロリスのミスからマンジュキッチがゴールを決め、クロアチアが2点差に詰め寄った。最後の20分間はクロアチアがさらなるゴールを狙う展開となったが、フランスがしのぎきった。
雨の上がったピッチでは、フランス関係者による歓喜のシーンが展開。選手としてもW杯優勝経験を持つデシャン監督は胴上げで宙を舞った。
フランスからは世界最高の若手選手との呼び声も高い19歳のエムバペが、ベストヤングプレーヤー賞に輝いている。
一方、クロアチアは小国ながらフランスと対等に渡り合い、優勝候補を圧倒する場面も多かった。決勝トーナメントの3戦ではいずれも先制を許しながら勝ち上がってきたが、今回は及ばなかった。
小倉キャスター、古市憲寿氏のW杯「やっと終わりましたね」発言に「本当にイヤな奴だねえ」(スポーツ報知)
16日放送のフジテレビ系「とくダネ!」(月~金曜・前8時)では、決勝でFIFAランク7位のフランスが4―2で同20位のクロアチアを破り、自国開催の98年大会以来20年ぶり2度目の優勝を飾り、閉幕したロシアW杯を特集した。
小倉智昭キャスター(71)は決勝について「クロアチアも頑張りましたけど、フランスは点を取ってからも守りが堅かったですね。一番最初のオウンゴールにハンドを取られてと、フランスにツキもあったのかな」と分析。
「W杯に興味がないし、見ない」と公言してきたコメンテーターで出演の社会学者・古市憲寿氏(33)が「やっと終わりましたね」と、つぶやくと、小倉氏は「本当にイヤな奴だねえ」と“本気で”返していた。
【中田浩ニ 視点】ベルギーの精度高いショートカウンター 日本も参考に(スポニチアネックス)
◇W杯・3位決定戦 ベルギー2―0イングランド(2018年7月14日 サンクトペテルブルク)
ベルギーのカウンターの鋭さが勝因だった。前半4分に先制し、その後は5バックでブロックをつくって守り、チャンスにはカウンターで攻めた。先制点はルカクから左のシャドリに展開し、右サイドから走り込んだムニエが決めた。早い攻めで、ルカクがうまくボールコントロールし、シャドリへのパスも抜群。ムニエが走り込むタイミングもよかった。日本戦の決勝点と左右が逆だが同じ形で、共通意識を持った精度の高いショートカウンターだった。こういう攻め方は今後、日本もチームの戦い方として必要だと思う。
後半は、リンガードとラッシュフォードを入れて個で仕掛けたイングランドに主導権を奪われたが、リードしている分、余裕もあった。後半25分の決定的なピンチもDFがよく戻って防いだが、流れがいいときはこういうプレーが出る。日本戦で苦しんだことでチームが成長した。イングランドが準決勝から中2日で1日少なく、先発を5人入れ替えなければならなかったことも味方した。 (元日本代表DF)