マエケン「マジか？！と思った」中継ぎ７球で７勝目 ２死満塁のピンチ切り抜け雄叫び （デイリースポーツ）

「ドジャース４－３エンゼルス」（１５日、ロサンゼルス）

　ドジャースの前田健太投手（３０）が同点の七回途中から２番手で登板し、２死満塁のピンチを無失点に抑えた。１／３回を投げて無安打無失点、１三振、１死球。７球で７勝目を挙げ、チームの前半戦首位ターンに貢献した。

　前半戦最終戦。あす１６日から４日間の球宴休みに入るため、ドジャースのロバーツ監督は１３日の試合前にエンゼルス３連戦で前田はブルペンで待機し、リリーフで登板する可能性を口にしていた。

　前田が中継ぎで投げるのは４月７日のジャイアンツ戦以来、今季２度目。１１日のパドレス戦に先発し６勝目を挙げている右腕は、中３日で先発カーショーの後を受ける形で七回２死一、二塁のマウンドに上がった。

　しかし、１人目の４番アップトンへの初球、１４５キロ直球が左肩を直撃する死球。２死満塁とピンチを広げたが、「いいバッターなので厳しく攻めないといけない場面。厳しく攻めた結果なので次のバッターに集中できた」と動揺することなく、続くキンズラーを迎えた。

　カウント１－１から低めに決めにいった１５０キロ直球がボールと判定され、悔しさを体で表現したが、ここでも心は乱れない。４球目、内角スライダーで見逃しストライクを奪って追い込むと、ファウルを挟んで６球目、外角低めの１３４キロスライダーで空振り三振。打ち取った瞬間、渾身のガッツポーズをつくり、何度も吠えた。

　ロバーツ監督からは試合前にリードした場面で起用すると伝え聞いていたという前田。「難しい場面。マジか！？と思った」と苦笑いを見せながらも「投げるからには僕自身の調整登板ではなく、チームが勝つために抑えないといけないですし、カーショーの後だったので、余計に勝たないといけない試合だったと思うので、そういう意味ではしっかり気持ちを入れて投げることができた」と話した。

　前田の熱投に呼応するかのようにドジャースは七回裏の攻撃でヘルナンデスが勝ち越し１６号ソロ。前田は７勝目の権利を手にして交代した。チームは３人の継投で１点差勝利。貯金１０で２位のダイヤモンドバックスに０・５ゲーム差をつけ、ナ・リーグ西地区の首位で前半戦を折り返した。

　今季はここまで１８試合（中継ぎ２試合）に登板し、７勝５敗、防御率３・１２。先発ローテーションの柱となっている前田は自身の投球を振り返り、「すごくいい前半戦だったと思います。シーズン当初は試行錯誤しながらでしたけど、途中から自分の形っていうのがいいものが見つかって状態も上がってきた。前半はいい終わり方ができたと思うんですけど、後半が大事なので、いいピッチングを続けていけるように頑張りたい」と話した。