【田淵幸一氏セ展望】阪神 過密日程がどちらに転ぶか注目(スポニチアネックス)

5チームが借金を抱えるセ・リーグは、どのチームも決定力に欠ける。3連覇を目指す広島は投打のバランスが良く、そつがない。しかし、特にチーム防御率4.08の投手陣に昨季より穴がある。

 各チームとも、浮上のためには一にも二にも投手陣の整備。まず、エース格の投手が確実に白星を稼ぐこと。僅少差の試合をものにするために、中継ぎ陣の奮闘も必要不可欠だ。シーズン終盤のペナント争い。ここからは1つの四球であっても、その重みは全く違ってくる。巨人でいえば1点差試合は6勝15敗。防御率4点台の沢村、上原らの安定感が何より求められる。

 かき回す存在は中日、そして交流戦最高勝率のヤクルトか。全球団にAクラス入りの可能性があるということは、逆に全てがBクラスになりうるということ。中日、ヤクルト相手に星を落とすと脱落の危機にさらされる。

 すでに15試合が中止になっている阪神は、確かに大きなハンデだろう。ダブルヘッダーも含めた過密日程。しかし、勢いに乗れば過密だからこそ連勝もありうる。どちらに転ぶか、注目したい。(スポニチ本紙評論家)