<中国>GDP6.7%増 減速主因はインフラ投資伸び悩み(毎日新聞)

◇4~6月期 目標「6.5%前後」は上回る

 【北京・赤間清広】中国国家統計局が16日発表した今年4~6月期の国内総生産(GDP)は物価変動を除いた実質で前年同期比6.7%増にとどまった。1~3月期の伸び(6.8%増)を下回り、2017年7~9月期以来、3四半期ぶりに減速に転じた。景気を下支えしてきたインフラ投資が伸び悩んだのが主因。

 政府が今年の成長目標に掲げた「6.5%前後」は上回った。ただし、トランプ米政権との貿易摩擦が激化する中、今後は堅調な輸出に悪影響が出る可能性があり、中国経済の先行き不透明感は高まっている。

 同日発表された今年1~6月の経済指標を見ると、公共投資や企業の設備投資を反映した「固定資産投資」は前年同期比6.0%増(1~3月期は7.5%増)と減速した。地方債務の拡大を懸念する中央政府が新規の公共投資を抑制した結果、インフラ投資が7.3%増(同13.0%増)と大きく落ち込んだことが響いた。

 個人消費の動向を示す「社会消費品小売総額」は9.4%増(同9.8%増)、工業生産は6.7%増(同6.8%増)と、いずれも減速傾向を示した。「投資」「消費」「生産」という国内経済のけん引役にやや陰りが見えている。

 堅調な世界経済に支えられ、貿易は好調だった。ドルベースの輸出は12.8%増、輸入は19.9%増と大幅に伸びた。

 トランプ政権は中国の知的財産権侵害などを理由に米通商法301条に基づく総額500億ドル(約5.5兆円)規模の対中制裁関税を決定。今月6日には340億ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課す対中制裁を発動し、月内にも残る160億ドル分の制裁関税を発動する方針を示している。中国も報復関税で応戦しており、今後、貿易をはじめ幅広い分野に影響が広がる恐れがある。国家統計局の毛盛勇報道官は16日の記者会見で「保護主義の激化は(経済の)不確実性を高めることになる」と警戒感を示した。