球宴2試合連続MVP輩出の西武 後半戦も突っ走るか(デイリースポーツ)

チームの圧倒的な力と勢いを感じた。オールスターの13日・第1戦と14日・第2戦のいずれもMVPを輩出したのが、パ・リーグの首位を快走する西武だった。

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 第1戦は、一回に3ランを放つなどマルチ安打をマークした森友哉捕手が、MVPをゲットした。相手はかつて西武のエースとして君臨した・松坂(中日)だ。「対戦したいと思ってました。ホームランを狙って打席に立ちました。一生の思い出になると思います」。出身地の大阪で躍動した若獅子。堂々たる姿と自信に満ちあふれた口調が全てを物語っていた。この一戦は、秋山翔吾外野手(西武)も、一回に松坂から先頭打者本塁打を放っていたのだ。

 第2戦は、昨季のパ・リーグ新人王が存在感を示した。源田壮亮内野手だ。五回無死三塁で中前にしぶとく運ぶ先制打。しかも「自分らしさは出せた」と一気に二塁まで到達する快足も披露した。「地味なヒットだと思いました。ボテボテのヒットで賞をもらうのはおこがましい」。謙虚なセリフを口にしたが、その表情には、充実感がにじんでいた。

 球宴の2試合で出場した西武の野手は浅村栄斗内野手、西武・山川穂高内野手らも含めて6人全員が、安打をマークする暴れぶりだった。「西武のみんな調子が良くて、(いい状態で)後半戦に入れるのは良かった」と自信の表情を浮かべて語った源田。パの指揮を執ったソフトバンクの工藤監督は、公式戦ではライバルとなる西武勢の活躍に「その通りです。ホークスも頑張ります」と苦笑するしかない状況だった。

 オールスターで所属選手が活躍した球団がそのまま快進撃を続けるケースは多い。勢いや流れも重要な要素を締めるプロ野球。大いに盛り上がった夢舞台でファンを魅了し、実力を発揮したことに意味がある。強力な相手である2位の日本ハムに肉薄される中で迎える首位・西武の後半戦。他球団も巻き返しを狙う中、今後のパ・リーグの争いは、もっともっと、熱くなりそうだ。(デイリースポーツ・伊藤玄門)