担当社員「賄賂でコスト回避」…タイ贈賄疑惑(読売新聞)

タイの発電所建設事業を巡る外国公務員への贈賄疑惑で、大手発電機器メーカー「三菱日立パワーシステムズ」(MHPS、横浜市)の担当社員が、東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し、「船から資材を荷揚げできないと人件費などで莫大(ばくだい)なコストがかかり、賄賂の要求に応じざるを得なかった」と供述していることが関係者の話でわかった。

 賄賂提供については、同社の元取締役が最終的に了承した疑いも浮上している。特捜部は、元取締役らが事業のコスト対策を優先させたことが不正の背景にあったとみて、不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)容疑で捜査している。

 関係者によると、タイ南部の発電所建設事業を請け負った同社は、海路で運搬された建設資材を港から荷揚げしようとしたが、事前の許可よりも大きな船だったため、港湾関係の現地公務員らから手続き上の不備を指摘され、桟橋の使用料名目で賄賂を要求された。