オリックス80戦完投0支える、諦めない守護神増井(日刊スポーツ)

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

 オリックス福良監督が言っていた。「あいつは諦めない。それがすごい。ランナーが出ても絶対に諦めない」。指揮官が絶賛したのは守護神増井だ。開幕から38試合に登板してリーグ1位の22セーブ、防御率1・56。今季からチームに加わったストッパーは、期待通り、いやそれ以上の働きぶりだ。

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 確かに指揮官の言葉通り、増井の走者なしの被打率は2割1分3厘。それに比べて得点圏での被打率は0割9分1厘。ピンチになると、強さを発揮する。スマートなイメージとは違うメンタルの部分が、増井の最大の強さ。指揮官はそう表現した。

 オリックスは開幕から前半戦80試合を終えて先発投手の完投はゼロだ。これは12球団で唯一。すでに球団最長だった14年の64試合を抜いて、プロ野球記録となる04年日本ハムの82試合は目前だ。

 チーム防御率はリーグ2位の3・55と決して悪くない。それなのに…と思ってしまうが、勝つための最善の策として、安定感のあるリリーフにバトンを託してきた。4年ぶりに前半戦をAクラス(3位タイ)で折り返したオリックス。「諦めの悪い」増井の存在が、チームの戦い方も変えた。【オリックス担当 桝井聡】