【検証】トランプ氏はブレグジット投票前日に結果を予測していた?(AFP=時事)

【AFP=時事】ドナルド・トランプDonald Trump米大統領は13日、英国で2016年6月23日に行われた欧州連合EU)離脱(ブレグジットBrexit)の是非を問う国民投票の前日に、スコットランド南西ターンベリー(Turnberry)にある自身所有のゴルフ場で、その結果を正確に予測していたと語った。だが実際には、同氏がゴルフ場に到着したのは翌24日のことで、このときに離脱派の勝利を評価する発言をしていた。

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■検証の対象

 トランプ氏は、今回の英国訪問中にテリーザ・メイ(Theresa May)英首相と共同で行った記者会見で次のように発言した。「思い出してほしいのだが、ブレグジット(の是非をめぐる国民投票)の前日、私はターンベリーの(ゴルフ場の)オープニングセレモニーに立ち会っていた」

「信じられないほど大勢の記者が来ていた。彼らが皆、海を見晴らす9番ホールにやって来たので、何事だと聞くと、皆、ブレグジットのことを話題にしたがり、私に意見を求めてきた。私がそのときに、ブレグジットは起きるだろうと言ったことには異論はないと思う。それが現実となり、そしてテープカットをしたわけだ」と続けた。

■分かっている事実

 国民投票前日の2016年6月22日、当時、米共和党の大統領候補だったトランプ氏は米FOXニュース(Fox News)に対し、英国民はEU離脱に投票すべきだと語っていた。

 同氏は、欧州の移民危機で生じた「混乱」を指摘し、「あちらで起きている物事を見るにつけ、私としては、自分たちだけでやっていけば?と思っている」「私は今まさにその真っただ中にいる。結果が出る頃には、ちょうどあちらにいるだろう」と述べた。

 しかし同氏は、この問題に関してそれほど精通していないことを認め、「私の話に耳を傾けるべきだとは思っていない。これについては実のところそれほど重視しているわけではないので」とも話していた。

 その後、国民投票翌日の24日に、トランプ氏はヘリコプターでターンベリーに到着。自身が所有するゴルフ場のオープニングセレモニーでテープカットを行った。

 美しい海岸に面したゴルフ場で大きなスコットランド旗がたなびく中、トランプ氏は記者たちに対し、「(英国のEU離脱は)素晴らしいことになるだろう。ファンタスティックなことだと思う」と語った。

 トランプ氏はまた、自身の選挙運動に「重なる部分が大いにある」と述べ、「国民は、自分の国を取り戻したがっている。独立を望んでいる」として、EUの解体は「進みつつあるようだ」との見方を示した。

■導き出せる結論

 トランプ氏は、6月23日に実施された国民投票の前日の22日にブレグジットへの支持を表明したが、結果を正確に予測していたわけではない。同氏は、結果がすでに明らかとなっていた24日にターンベリーに到着してからの話と、前述のインタビューとを混同している可能性がある。【翻訳編集】 AFPBB News