豊ノ島3勝「5番勝つ」関取復帰へ残り2番連勝目標(日刊スポーツ)

<大相撲名古屋場所>◇9日目◇16日◇名古屋市ドルフィンズアリーナ

 関脇経験者で西幕下7枚目の豊ノ島(35=時津風)が、2勝2敗で迎えた今場所の5番相撲に登場した。

 十両と幕下上位に名を連ねる「大波3兄弟」の長男で、同10枚目の若隆元(26=荒汐)と対戦。押し倒しで勝った。今場所は1番相撲から、白星と黒星が交互に並ぶ、いわゆる“ヌケヌケ”が続き、再び白星先行の3勝2敗で3場所連続の勝ち越しに王手をかけた。

 5月の夏場所も寄り切りで勝っている相手に、立ち合いの踏み込みから圧力をかけた。「(相手は)軽量だから、横の動きだけには気をつけた」と話すように、右にいなし気味に動いた相手をよく見て追い詰め、反時計回りに回り込もうとする若隆元を最後は押し倒した。

 相手のいなしにも「食って負けたら負けたでしょうがない。開き直り勝ち」と迷わず前に出た。12年半も在位した、関取の座から幕下に陥落したのが2年前の九州場所。図らずも今場所と同じ西幕下7枚目の番付だった。その時は4勝3敗で1点の勝ち越しに終わったため、翌場所の番付は1枚しか上がらなかった。

 幕下は15枚目以内なら7戦全勝で十両昇進が確定するが、それ以外は通常、5枚目以内で勝ち越した力士が権利を得る。もちろん他力士の成績や、十両からの陥落力士数の兼ね合いもあるが、十両を目指す力士は当面、5枚目以内を確保したいところ。豊ノ島も「5枚目以内なら違うし、1つの大事なところ」と話すだけに「まずは(4勝目を挙げての)勝ち越しを目指すけど、5番勝って来場所につながるようにしたい。4勝なら5枚目に入らないかもしれないからね」と、残る2番で連勝を目標にする。