<都市対抗野球>前向きな思考こそ…かずさ小泉が会心二塁打(毎日新聞)

新日鉄住金かずさマジック(君津市) 6-4 西部ガス(福岡市)●

 無我夢中だった。新日鉄住金かずさマジック(君津市)の小泉健(こいずみ・たけし)三塁手(26歳)。1点を追う四回1死満塁の好機に「チャンスで回って来いと思っていた。流れを引き戻す」。

 2球で追い込まれたが、6球目。高めの直球を逆らわずに、左中間に運んだ。走者一掃の会心二塁打に「うれしすぎて興奮した」。一塁走者が頭から本塁に突っ込むのを見届けて、何度も両手を突き上げた。

 感情があふれ出たのには理由がある。2次予選は打率1割1分1厘と低迷した。この日は打順を本来の1番から7番に下げられた。そんな時、今季から加わった元DeNAの松本の言葉を思い出した。「自分が目立って、チームを勝たせるんだという気持ちでやっている」。前向きな思考こそ、ここぞの一打につながると、心に余裕ができた。

 入社4年目。都市対抗野球での勝利は初めての体験だ。「味わったことがない格別な喜び。何度でも、この気分を味わいたい」。そのためにチームに貢献する一打を打ち続ける。【角田直哉】